アジサイ眼科


アジサイ眼科

Ajisai Ophthalmology Clinic

オプジーボの薬価

ノーベル賞でテレビでもオプジーボを毎日見ます。
ノーベル賞おめでとう!だけでは済まないんです。
オプジーボって物凄く高い薬です。

上のリンクの画像です。
最初に売り始めた時は、100mg1バイアル72万9849円。

患者の体重1kgあたり3mgの用法用量で2バイアル使うとすると、1日で1,459,698円。
2週間に1回投与なので、1ヶ月で2,919,396円。
12ヶ月まで投与可能とされているので、1年で35,032,752円。
1人で1年間に3,500万円かかる!
凄まじいお金が掛かりますが、高額医療ってことで、患者負担額は薬剤費用のほとんどを払っていません。
だったらラッキー!じゃないです。
大半のお金は保険から支払われます。
これは大変な薬だ、国を亡ぼす薬だ!と4年前にヤバいヤバいと話題になりました。
その後、薬価、用法容量が改定され、大分安くはなりましたが、

>悪性黒色腫(メラノーマ)の適応で発売されて以降、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頚部がん、胃がん、悪性胸膜中皮腫と適応を相次いで拡大。


適応疾患が増えたことで、使用される確率も上がります。
医療費が増えます。
ただでさえ、医療費は年々増えるのに、国は医療費を減らそうとしています。
新薬での医療費が増えるのに、全医療費を同じ額にしようとしたら、医療施設の収入を減らしたり、これまで保険適応だった薬を自費にするなど、他の医療費を無理矢理下げてきます。
例えば、手術を行うのに、手術の道具などの経費の割に手術代が引き下げられてしまったら、医療施設はその手術を止めざるを得ません。
一部の新薬の医療費のために、手術を受けられない人が出る可能性があるということです。
最悪は、医療施設が倒産、その地域で医療を受けられなくなります。

薬価の問題もありますが、効果、副作用の問題もあるため、オプジーボの使用適応は限られています。
癌だったら何でも使ってみよ~、効かなかったら効かないで仕方ないから~、なんて気分で使う薬ではないです。
連日のテレビで、オプジーボを知る人が爆発的に増えたと思います。
適応外使用を求める人や、適応外使用をする施設が出ないことを願います。


ノーベル賞受賞は喜ばしいことですが、もうこれ以上オプジーボの良い話ばかりテレビで放映するのは止めて!と思います。