アジサイ眼科


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Ajisai Ophthalmology Clinic

新型コロナウイルス感染症への対応ガイド

手術患者さんは全員経過良好です。


http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide1.pdf
医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド
一般社団法人 日本環境感染学会


PDFファイルで、あまり新しいことは書いてありませんが、
一度見ておくと良いかも知れません。
以下、コピペです。



ウイルスの特徴
ヒトに感染するコロナウイルスは従来、
風邪のウイルス4種類と重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の合わせて
6 種類が知られていました。
新型コロナウイルス(COVID-19)はこれらとは異なるウイルスであり、
主に呼吸器感染を起こし、病原性は MERS や SARS より低いレベルと
考えられています。
中国湖北省において致死率は 2%超という数字が示されていますが、
中国湖北省以外および国外では実際にはそれよりも低い数値となっています。
 新型コロナウイルスは、飛沫および接触でヒト−ヒト感染を起こすと考えられています
が、空気感染は否定的です。
感染力は一人の感染者から 2〜3 人程度に感染させると言われています。
 
臨床的特徴(病態、症状)
新型コロナウイルスは呼吸器系の感染が主体です。
ウイルスの主な感染部位によって上気道炎、気管支炎、
および肺炎を発症すると考えられます。
本ウイルスに感染した方全員が発症するわけではなく、
無症状で経過してウイルスが排除される例も存在すると考えられます。
 感染者の症状としては、発熱、咳、筋肉痛、倦怠感、呼吸困難などが比較的多くみられ、
頭痛、喀痰、血痰、下痢などを伴う例も認められます。
一般的に呼吸困難を認める場合は肺炎を発症しているものと推測されますが、
上気道炎の症状が主体であっても肺炎の存在が確認される例や、
1 週間以上の上気道炎症状が続いた後に肺炎が出現する例もあります。
少数ながらみられる重症例は肺炎を発症していると考えられますが、
さらに死亡例ではARDS や敗血症、敗血症性ショックなどの合併が考えられます。
なお、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスク因子ならびに、
どの程度、細菌感染症が合併しやすいかについては、明確なデータは認められません。
 
診断
1)臨床的診断
新型コロナウイルス感染症に特異的な症状や所見はありません。
本ウイルスに感染した方に認めやすい症状の特徴としては、
長く続く発熱と強い倦怠感であると言われています。
ただし、症状のみで臨床的に診断を確定することはできませんので、
症状、診察所見および各種検査所見を踏まえて、
まず他の呼吸器感染症との鑑別が重要です。
特に類似した症状を示すインフルエンザや他の感染症については、
抗原検査等を行って除外診断を行う必要があります。
 さらに臨床的に重要なのは肺炎の有無を確認することであり、
疑わしい場合は胸部 X 線、あるいは胸部 CT 検査の検査を行う必要があります。
肺炎と診断された場合は肺炎球菌や
レジオネラ属菌の尿中抗原検出、マイコプラズマ遺伝子検出、呼吸器検体の培養、
血液培養など他の原因病原体の検索を併せて行ってください。
 
2)ウイルス学的診断
新型コロナウイルスが患者検体から検出されれば確定診断が付き「確定例」
として扱います。
呼吸器感染症の症状を認め、武漢を含む中国湖北省の滞在歴があっても、
ウイルス検査が行われてない段階では「疑い例」となります。
疑い例については、厚生労働省は新型コロナウイルスの検査対象を
下記のように定めています。
 
次の(1)〜(4)に該当し、かつ他の感染症又は他の病因によることが明らかでなく、新型コロナウイルス感染症を疑う場合。 
(1)発熱または咳などの呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、
新型コロナウイルス感染症であると確定したものと濃厚接触があるもの 
(2)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、
発症前 14 日以内に中国湖北省に渡航又は居住していたもの 
(3)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、
発症前 14 日以内に中国湖北省に渡航又は居住していたものと濃厚接触があるもの 
(4)発熱、呼吸器症状その他感染症を疑われるような症状のうち、
医師が一般に認められている医学的知見に基づき、
集中治療その他これに準ずるものが必要であり、かつ、
直ちに特定の感染症と診断することができないと判断し
(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 14 条第1項に規定する厚生労働省令で定める疑似症に相当)、
新型コロナウイルス感染症の鑑別を要したもの 
※濃厚接触とは、次の範囲に該当するものである。

 ・新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触
(車内、航空機内等を含む)があったもの
 
 ウイルス検査には PCR 法など核酸増幅法が用いられており、
医療機関から疑似症として保健所に届出後、
地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査が実施されます。
検体としては、下気道由来検体(喀痰もしくは気管吸引液)が望ましいとされていますが、
下気道由来検体の採取が難しい場合は上気道由来検体のみでも可となっています。
採取は発病後 5 日以内のできるだけ早い時期の採取が望ましく、
速やかに氷上または冷蔵庫(4℃)に保管し、
輸送まで 48 時間以上かかる場合は-80℃以下の凍結保存が推奨されています。
上記の検査対象に該当しない場合でも、発熱や呼吸器症状を有し、
湖北省以外の中国国内、および感染者が報告されている他の国に、
最近 2 週間以内の渡航歴がある方については、ウイルス検査の対象とはなりませんが、
可能性は否定できないため、注意深く経過を観察する必要があると思われます。
 現時点において、発熱や呼吸器症状を認めていても、
海外渡航歴や新型コロナウイルス感染症確定患者との濃厚接触歴の無い方などは
新型コロナウイルスによる感染症の可能性は否定的です。


 治療・予防(ワクチン)
 新型コロナウイルス感染症に対して、現在、有効性が証明された治療法はありません。
ただし、抗 HIV 薬などの投与が有効であったという報告があり、
特にロピナビル/リトナビルについては今後さらに治療効果が検証されれば
治療薬としての可能性が期待できるものと思われます。
現時点における治療の基本は対症療法です。
肺炎を認める症例などでは、必要に応じて輸液や酸素投与、昇圧剤等の全身管理を
行います。
細菌性肺炎の合併が考えられる場合は、細菌学的検査の実施とともに抗菌薬の投与が
必要と思われます。
肺炎例や重症例に対して、副腎皮質ステロイドの投与については、
現時点では有効性を示すデータは無く、推奨されません。
 新型コロナウイルスのワクチンは存在しません。


感染対策
1)標準予防策の徹底
新型コロナウイルス感染症に対して、感染対策上重要なのは、
まず呼吸器衛生/咳エチケットを含む標準予防策の徹底です。
ウイルスを検出する検査を行わなければ感染例と非感染例を明確に区別することは
できませんので、全ての患者の診療において、状況に応じて必要な個人防護具
(PPE; Personal Protective Equipment)を選択して適切に着用してください。
コロナウイルスはエンべロープを有するため、擦式アルコール手指消毒薬は
新型コロナウイルスの消毒にも有効です。
手指衛生は適切なタイミングで実施してください。
 
2)感染経路別予防策
新型コロナウイルスの感染確定例および疑い例に対しては、
飛沫感染予防策と接触感染予防策の適応となります。
気道吸引、気管挿管などエアロゾルが発生しやすい状況においては、
医療スタッフはゴーグル、ガウン、手袋に加えて N95 マスクの装着が推奨されます。
なお、N95 マスクの使用に際しては、事前にどのサイズの N95 レスピレータが
自分の顔に合うかを調べるフィットテスト、
および着用の際に正しく着用できていることを毎回確認するシールチェックを
行うことが重要です。
一般的にタイベックⓇスーツの着用は必須ではありません。
 
3)外来患者への対応
現時点においては、発熱や呼吸器症状を訴える患者が外来を受診しても、
新型コロナウイルス感染症の患者に遭遇する確率はかなり低いと考えられます。
通常の一般外来で発熱患者に対応する職員は、常時マスクを着用し、
手指衛生の徹底をはかります。
事前に感染リスク(湖北省への渡航歴または、湖北省に滞在歴のある人との濃厚接触)
があることを申告して受診される場合は、
他の患者と導線を切り離して対応できる場所を確保し、
診療を行うことが望ましいと考えられます。
疑い例定義に合致する患者に対応する医療スタッフは、
それぞれの曝露リスクと施設の基準に応じて個人防護具を装着します。
特に エアロゾル発生手技(例: 気道吸引や気管挿管など)では N95 マスクの装着が
推奨されます。 
外来に多くの発熱患者が訪れた場合は、インフルエンザ流行期の対応に準じて、
外来で適切な場所を確保して他の患者との距離を保つように工夫します。
 
4)トリアージ
外来受診時の患者のトリアージにおいては、まず重症度の評価を行います。
肺炎や敗血症が疑わしい例では標準予防策を徹底しながら、
画像や採血等の必要な検査を行うとともに、輸液等の処置を開始します。
非重症例でも標準予防策を徹底した上で必要な検査を行います。
  感染リスクの観点からも評価を行います。湖北省への渡航歴または滞在歴のある人
との濃厚接触が確認されれば、疑い例として保健所にウイルスの検査対象となることを
報告します。
湖北省以外の中国への渡航歴など、新型コロナウイルスの検査対象に該当しない場合
でも、感染の可能性が否定できない場合は、
疑い例に準じた対応を行うのが望ましいと考えられます。
 
5)入院患者への対応
 感染確定例は指定医療機関に入院となり、
施設のルールに則って適切に管理することになります。
疑い例はウイルス検査の結果が判明するまで陰圧室での管理が望ましいと
考えられますが、陰圧室での対応が難しい場合は、室内の換気を適切に行います。
病室外への移動は医学的に必要な場合のみに限定し、
患者にはサージカルマスクを着用してもらいます。
エアロゾル発生手技(例: 気道吸引や気管挿管など)では、N95 マスクの装着が
推奨されます。
非侵襲的陽圧換気(NIPPV)は有用性はあるものの、周囲へのウイルス拡散を助長させる
ことから、特に厳重な感染対策に留意する必要があります。
 
6) 環境消毒
新型コロナウイルスはアルコールに感受性を有します。
高頻度接触部位、聴診器や体温計、血圧計等の器材などは、
アルコールや抗ウイルス作用のある消毒剤含有のクロスでの清拭消毒を行います。
病室内の環境清掃を行うスタッフは手袋、サージカルマスク、ガウン、
フェイスシールドまたはゴーグルを着用します。
 
7) 換気
 現在のところ、新型コロナウイルス感染症患者について、
陰圧空調管理された個室に入室させることは必須ではありません。
外来ならびにCT検査室、入院病棟などについては、部屋の換気条件(例. 6回転/時間など)を考慮して、再使用にあたり適切な換気を行うことを検討します。
 
8) 職員の健康管理
新型コロナウイルス感染症は、院内感染事例や医療従事者の職業感染は少ないものの、
伝播性を有することから、医療従事者の健康管理は重要です。
診療した医療従事者ならびにその際の個人防護具の着用状況、
その後の健康状況を把握します。
 
 国内における患者の診療体制
1)帰国者・接触者外来
新型コロナウイルス感染症の疑い例を、診療体制等の整った医療機関に
確実につなぐため、2 月上旬を目途に、二次医療圏ごとに 1 箇所以上、
帰国者・接触者外来が設置されることになりました。
帰国者・接触者外来は新型コロナウイルス感染症の疑い例の診察を目的とした
ものであり、疑い例と他の患者と動線を分け、必要な検査体制を確保し、
医療従事者の十分な感染対策を行うことが必要とされています。
 
2)感染者の受診調整
帰国者・接触者相談センターが 2 月上旬を目途に各保健所に設置され、
帰国者・接触者外来へと受診調整を行うことになりました。
そのため、新型コロナウイルス感染症の可能性のある患者は、
受診前に帰国者・接触者相談センターに連絡し、
受診する時刻及び入口等について問い合わせる必要があります。
もし疑い例に該当しない場合は、必要に応じて一般の医療機関を受診するよう
指導されます。
 
3)一般の医療機関における診療
一般の医療機関においては、患者が本来帰国者・接触者外来を受診すべき疑い例
であることが受付等で判明した場合は、帰国者・接触者相談センターへ連絡の上で、
帰国者・接触者外来の受診を案内することになっています。
そのため、帰国者・接触者外来を有しない一般の医療機関では、
疑い例は診療の対象外となります。
 
法律上の規定
新型コロナウイルス感染症は指定感染症に指定されています。
それに伴い、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)
と同じ2類感染症と同等の措置が取られます。
具体的には患者を見つけた医師には報告義務があり、
都道府県知事は患者に入院を勧告し、
全国約 400 の指定医療機関への強制的な入院措置が行われます。
患者には一定期間、就業制限の指示を出すことができます。
なお、入院中の治療費は公費負担となります。
 
 相談窓口、問い合わせ先
厚生労働省の電話相談窓口
電話番号 0120−565653
受付時間 9 時 00 分~21 時 00 分(土日・祝日も実施)
 
都道府県・保健所等による電話相談窓口
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html