本日の手術
今日は、白内障手術を12件行いました。
全員問題無く行いました。
しかし、熟成された硬い白内障の人が2人で、
その1人は物凄く硬かった上、表面は真っ白い濁りがあるので時間が掛かりました。
こんな白内障の核硬度分類というものがあります。
その2人の1人は、このグレード4~5でしたが、
もう1人はこの写真のグレード5よりももっと黒褐色の硬い核でした。
若い人の水晶体は、青っぽい透明な感じ、
50歳以上になってくると、段々水晶体の輪郭が黄色くなり、
真ん中も緑色になり、
どんどん色が濃く、黄色と緑が濃くなり、核が白っぽくなったり、
次は、核が赤っぽくなり、
次は、茶色っぽく、
最後は、黒くなります。
黒くなると、Rock hardと呼んだりします。
岩のように硬いということでしょうね。
今日のRock hardの色は、ココアというか、チョコレート味のアイスみたいな色で、
僕が小学生の頃に食べた、ビックリマンアイスのジャリジャリ食感のチョコレート味の
部分みたいでした(笑)
普通の白内障なら、機械のアクセルペダルみたいなものを半分以下の踏み込みで
破砕吸引出来ますが、
今回は2/3以上踏まないと、水晶体に食い込ませたり、破砕は出来ませんでした。
現行機種のセンチュリオンだから破砕出来たようなもので、
昔の機械であれば、破砕不能であったかも知れません。
先週から始めたI/Aバックフローハイドロダイゼクションは、コツを掴みました。
良い感じの圧力も決まりましたし、前嚢切開縁の全周に水を流す感じでやっていると、
いつの間にか水晶体と袋の分離が完了されている感じで、
従来とさほど時間も変わらず、もう何も違和感も無くなって良い感じでした。
新しい眼内レンズも試してみました。
最初からインジェクターに眼内レンズが格納されているプリセット型で、
眼内レンズの押し出しには、通常は手で棒を押したり、ネジを回したりしますが、
今回試したものは、炭酸ガスの小さなボンベが仕込まれており、
ガスの圧力で棒が押し出されていくというものです。
眼内レンズの動きは通常と変わりなく、音も無く(笑)、普通に使えました。
一応、初めてそのレンズを試すということで、
メーカー担当者が手術室に忍者のように隠れていました(笑)。