アジサイ眼科


アジサイ眼科

Ajisai Ophthalmology Clinic

アジマイシン点眼液


もうすぐ、新しい抗菌点眼薬が発売です。


セフェム、アミノグリコシド、クロラムフェニコール系もありますが、
抗菌点眼薬で多く使われているのは、ニューキノロン系です。
ニューキノロンばっかり使われて、耐性菌の問題も危惧されている中、
新しく出たマクロライド系が、アジマイシンです。


別に薬自体は新しくも何もなく、昔からマイコプラズマ肺炎などで使う
内服薬がアジスロマイシン(商品名:ジスロマックなど)で、
その点眼薬が出たということが新しいのです。


細菌に対する効きの切れ味は、アクネ菌のみニューキノロンより強力ですが、
他の菌には効きが劣るようです。
効きが劣るのに、何で出すのか?
ニューキノロンを使う頻度を減らして、
ニューキノロンの耐性菌を減らして、後の手として取っておく、
ニューキノロンなど他の抗菌点眼薬は、1日3回~頻度を多く使いますが、
アジマイシンは、以下のような独特の使い方です。


用法及び用量
 〈結膜炎〉
通常、成人及び7歳以上の小児には、1回1滴、1日2回2日間、
その後、1日1回5日間点眼する。
 〈眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎〉
通常、成人には、1回1滴、1日2回2日間、その後、1日1回12日間点眼する。


使用期間の制限があるため、2.5mlしか新品でも入っていません。
ちょっと使って、また調子が悪くなったら使おうという人を減らす、
それが一番の目的になるかも知れません。


ただ、結膜炎は抗菌点眼薬だけで簡単に良くならないことが多いです。


菌を点眼で減らせても、患者本人が手で眼を触ったり、擦ったりしていれば、
結膜炎は多少良くなっても、また悪くなったり、繰り返すに決まっているからです。


その触りたい症状を抑えるのにステロイド点眼を一緒に使うことが多いですが、
アジマイシンは1日2回→1回なのに、ステロイド点眼は1日4回使い続けた方が、
良さそうに思います。
同じくステロイド点眼も回数を減らすと、上記のようにまた眼を触って悪くなる、
結局ニューキノロンを追加で出すか、って意味無い~!な症例が予測出来ます。


出来れば、ステロイド点眼の徐放性製剤みたいな、1日1回でも4回と同程度の効果の
製剤が望まれますが、既に治験で副作用の問題があり、厳しそうです。


選択肢は増えても、なかなか使い方に悩みます。