アジサイ眼科


アジサイ眼科

Ajisai Ophthalmology Clinic

新薬

中身は新薬ではないのですが、新薬点眼が続々登場します(笑)

・アレジオンLX点眼液0.1%


既に販売されている抗アレルギー剤のアレジオン点眼液0.05%は、1日4回点眼ですが、
アレジオンLX点眼液0.1%は、1日2回点眼です。


基本薬剤は同じエピナスチンですが、濃度が濃くなったのと、防腐剤の仕様が違います。
0.05%を開発中の時に0.1%も試していたはずですが、
この防腐剤の仕様が2019年で可能になったから?今一度販売のようです。


しかし、すごく痒い人に、これだけで済むとは思えません。
結局ステロイド点眼も併用しないと痒みの抑え込みは厳しいと思います。
ステロイド点眼の徐放剤は、眼圧上昇の副作用で現在も販売はされていません。
結局、アレジオンLXは2回、ステロイドは4回で使ってもらうことになりそうです。

・アイベータ点眼液
以前にアメリカからの旅行者がアジサイ眼科で処方希望されたコンビガンです。
緑内障治療の点眼、アイファガンとチモプトールの合剤です。
正確に言うと、コンビガンとはアイファガンの濃度が違います。
(アイベータは0.1%アイファガン+0.5%チモプトール)
(コンビガンは0.2%アイファガン+0.5%チモプトール)

なかなか、これも使い方が難しいです。
チモプトール(β遮断薬)はたくさんあり、
プロスタグランジン系(PG)との合剤は1日1回、
炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)との合剤は1日2回で既にあります。


ただ、最近、チモプトール+CAIの合剤のアゾルガの供給が断たれており、
同じ系統のコソプトはジェネリックもありますが、「しみる」副作用が特徴で、
それがアゾルガとの違いになっています。


アイベータは使い心地が良いとのことでしたが、
実際に点眼してみると、後から少し「しみる」感じはしました。
コソプトと比べたら断然少ないですが。


アイベータがアゾルガの代わりになるかというと、
その治験結果がまだ出ていないため、未知数です。
印象としてはCAIの方がアイファガンよりも眼圧下降は強い気がします。


まぁアゾルガを使っている場合は、大抵はPG+アゾルガですから、
PGとβの合剤+CAIに切り替えれば、内容も使い心地も同等です。


既にアゾルガを使っている場合の代替えというより、
PGを使っていて、次の手段としてPG+アイベータという選択肢か、
ファーストチョイスで、コソプトの代わりにアイベータという選択肢が、
使い方なのかなと、現状での考えです。


使い方に悩む合剤なので、アイベータで緑内障診療が様変わりはしませんが、
来年春出る予定のアイファガン+CAIの合剤が販売されたら、
緑内障診療のスタンダードは完全に変わります。


現在使える配合剤を含めた緑内障治療の最強の組み合わせは、
PG(もしくはエイベリス)+βとCAIの合剤+アイファガン+グラナテック
になると思いますが、
PGとβの合剤+アイファガンとCAIの合剤+グラナテック
がゴールデンスタンダードになって、βとCAIの合剤シェアは下がると思います。


ただ、アイファガンとグラナテックの合剤が出れば、
βとCAIの合剤は再びシェアは上がるでしょう。


アイファガン+CAIも熱望ですが、
かねてから僕はアイファガン+グラナテックを熱望しています。