アジサイ眼科


アジサイ眼科

Ajisai Ophthalmology Clinic

本日の手術、Active Sentry

今日は、白内障手術を12件、眼瞼下垂(挙筋前転法)手術を1件行いました。
全員問題無く行っています。


先週からずーーーっと楽しみしていた
Active Sentry(AS)ハンドピースを使って手術してみました。


日本アルコン、唯一の眼灌流圧センサー内蔵 白内障手術用超音波ハンドピース 「CENTURION® ACTIVE SENTRY® ハンドピース」1月6日発売 | 日本アルコン株式会社


いきなりエラー出まくりで、ASの表示はしていても、今までと全く違いを感じない(笑)
案の定ASは作動しておらず。
接続場所を変えたり、ハンドピースを交換してようやくASの作動を確認出来ました。
前房内圧力変化に対する反応が、一定時間当たり、標準のセンチュリオンより、
5倍くらい細かく反応して、前房内容量を保とうと制御するのは分かりますが、
容量が細かく変化するためか、眼によっては妙に虹彩が動くので、
元々虹彩ヘロヘロな眼に対して使った場合、
良い方向になるのか、悪い方向になるのか、
もうちょっと試してみないと分からないですね。
しかも、制御の仕方がメーカー説明の圧力変化グラフのようではなくて、
矩形波の連続みたいな感じなので、まだまだ制御は粗くて、
もっとプログラムを詰める余地がありそうです。
後嚢の浮き上がりは少なくはなるものの、
浮き上がりゼロにはならないというのも予想通りではあります。


機械は進化していますが、
眼によって想定の挙動にならない場合も絶対にあるって、
たくさん手術している人なら誰でも感じると思います。
機械の反応よりも、実際に顕微鏡で見た眼内の状態に対して、
どんな操作をしたらどんな動きをするか、
吸引したものがハンドピースを流れる振動を感じて、
直後にどれだけ眼内容量変化するか、
その予想は、まだまだ人間を超えるまでには達してないですね。


メーカー担当者は、AS付きセンチュリオンの納入は他施設にあっても、
既存のセンチュリオンをアップグレードしてASを導入するのは初めてだという話で、
やっぱり手術マニア向けな製品としか言いようがないですね(笑)
使いたい人は絶対使いたいと思うだろうし、
要らないって思う人には効果は分からないかも知れません。


是非Alcon社に届いて欲しい希望として、
ASを、より分かり易くプレミアム機能として売るのであれば、
前房安定性の強化が出来たのだから、ついでに攻めの機能も追加で、
センチュリオンはライズ機能は0が最高でマイナス方向にしか設定出来ませんが、
前のモデル、インフィニティのようにダイナミックライズ機能の数字を
+4までもっと上げられるようにすれば良いと、ずーーーっと思っています。