アジサイ眼科


アジサイ眼科

Ajisai Ophthalmology Clinic

機械の設定

昨日の手術患者さんは全員経過良好です。


最近、関西の大きな眼科病院の先生の発表を見て、
白内障手術の設定、工夫を考えてやってました。
機械の設定でパワーを上げても、実際には数字ほどのパワーは出てない驚愕の結果で、
それを踏まえて、設定を落としたり、角膜に悪影響が出そうな機能をオフにしてみたり、
今更ながら前よりも良い使い勝手になり、安全になりました。

白内障手術の機械は、非常に設定項目が多く、設定によって使い易くも、
使いにくくもなります。
エンジンでも何でも、機械をコントロールしているコンピューターセッティングで、
扱い易さ、スムーズさ、調子が全て変わるのと同じです。
白内障手術機械は、ノーセッティングの状態で納入され、
推奨セッティングも全く無し、説明書には設定の説明しか書いてありません。


そのため、機械業者に手術日に立ち会ってもらって、
業者に設定を全て任せてしまう術者もいるかもしれません。


僕は、昔から設定マニアで(笑)、新しい機械が導入されたら、
手術日の度に、毎回設定のリセッティングを繰り返します。
業者には、こんな複雑な設定でやってる人はいない(笑)と言われます。
満足する設定を見付けた後も、他の術者の設定を見たり、
更に良い設定が出来ないか、情報収集を続けています。


手術は芸術だ!なんていう人もいますが、
僕はあんまり適切な表現ではないかな~と思います。
芸術っていうと、本来の姿、形とは全く違うものになっていそうで(笑)


僕の場合は、もちろん安全性が一番ですが、
精度が高い、正確性が手術の目的では大事と思います。
accurateっていう英語がしっくりきます。
手術で最初から終わるまで、本来の状態をイメージしながら、
極力余計に触ったり切ったりしない、元々あった通りに戻す、
理想は、手術はしてあるけど、まるで手術も何もしてなさそうな状態だと思っています。


どんな手術も、傷や炎症は起こるし、結局それを直すのは生体な訳で、
特に病気で無ければ、本来の生体の姿、形が最も望ましいものだと思います。